その本はインターネットについて書かれた本だったんだけど、その本の中の羽生名人(将棋のあの人ね、のび太君みたいな…)の言葉。
「インターネットの普及で、プロの一歩手前まで一気に進める高速道路が出来た。だけれどもそこれはプロの一歩手前までで、その高速道路を降りたところで大渋滞が起こっている」(要約)
これってギターの世界にも当てはまると思う。
過去のギタリストの映像も、最新の超絶テクニックの練習方法も、ギターやアンプのセッティングも、ネットの世界には全てある。
それも、どこに住んでいても、お金が無くっても、ネット環境さえあれば誰でも見れる。
自分が勉強していたころに比べると、インターネットだけでなく、機材なども含めて、アマチュアの環境はすばらしく良くなった。
それにともない、技術もどんどん上がってきている。本人より上手いコピバン、なんてものもざらにある。
だけれども、それでだけでは結局プロの一歩手前の大渋滞から抜け出せない。
特に音楽の世界は、いわゆるメジャーと契約して、CDの売り上げで食っていく、という道はどんどん細くなっていっているので、いよいよ渋滞がひどくなっている。
何度かここに書いたが、プロになろうと思う人は、一歩手前の大渋滞を抜ける戦略を持たねばダメだ。
上手ければ売れるとか、いいものを作れば売れるとか、間違ってはいないけれど、それだけでは人生をルーレットに一点張りするくらいの分の悪いギャンブルだ。
信じていれば、夢は必ず叶う、という人は、ごく一部の夢が叶った人たちだ。
信じていたら、夢が叶った、というだけでしかない。
夢を追うならば、冷静に分析し、判断しなければならない。ルーレットの当たる確率を、少しでも高めるために。
みんなどんどん上手くなる、その中には天才、としか言いようのない者もいる。
渋滞を抜けるための門は狭い。
渋滞を抜けてプロになるための技術。そこを見据えた努力が、これからはより必要になると思う。
まあ、すっごい個性や才能があれば、こんな事考えなくていいんだろうけどね…。
クラシックをやってた事もあって、一時私もフィンガーピッキングでエレキをプレイすべく、随分練習したんだけれども、自分自身どうも納得できない。
まずクラシック的な人差し指、中指交互(フラメンコでいうピカード)では、ミュートの問題がある。低音弦から高音弦に移ったときに、きれいに余弦の消音をすることが難しいのだ。このことは親指を下げ気味にしてミュートに生かしたりして解決できたのだが、やはり全てのプレーをフィンガーピッキングでやり抜くことは難しいし、音色の問題もあって、通常のプレイではピックを使う事にした。
だけれども、この人の映像を見て、改めてフィンガーピッキングいいな、と思ったんだよね。
こんな風に楽器と一体になって、自分の感じるフィーリングやらグルーヴやら業やらなんやら全部音楽に直結して、テクニックなんて自分の弾きたいフレーズが弾ければそれでいいのさ!的なプレイがうらやましい。
自分は様々な音楽に興味があったのでこういう道は選ばなかったけれど、ブルースやるときはやっぱりフィンガーピッキングにしようかな。
ウェス・モンゴメリーなんか聴くとわかるけど、(彼は親指でのプレイですが)意外にスピードで困る事はないし、フィンガーピッキング練習中に気付いたんだけど、人差し指をまんまピックのように使って弾く事も出来るので(俺が編み出した技だぜ!と思ってたら、YOUTUBEで何人か同じことしてる人がいた・・・)ワンアンドオンリーを目指す方は、フィンガーピッキングのフロンティアに挑戦してみてはいかがでしょうか?
いや、本当に。
アルバート・コリンズのアツいフィンガーピッキング
こちらはウェス・モンゴメリーの親指フィンガーピッキング